母と娘でこだわりのサロン

 春日井市出川町にある「Callinmi Hair & Cosmetics(キャリンミーヘアアンドコスメティクス)」は、一九九五年にオープンして以来、二一年間地元に愛され続けているヘアサロンです。キャリア四〇年の須江美さんとその娘、奈緒さんが笑顔でお客様を出迎えます。
 白を基調とした店内は「お客様を緊張させない柔らかな空間をつくりたい」と、須江美さんと奈緒さんが二年前のリニューアルオープンの際、店内にある家具や壁紙にこだわり、ホッと安心できる空間がつくられています。
 Callinmiのまわりには、小学校から大学まで学校があり、店には学生も多く訪れます。カットやカラーの他にも、「炭酸」と「オーガニック」の二種類から選べるヘッドスパは、リラックス効果や血行促進で抜け毛予防、白髪防止にもつながるため、性別・年齢問わず人気のメニューです。Callinmiの扱うヘアケア用品もこだわりが詰まっています。毛穴の汚れを綺麗に洗い流すマイクロバブルのシャワーやオーガニックのトリートメント剤、毛先までしっとりと落ち着いた仕上がりになるドライヤーなどが取りそろえられており、ヘアケア用品の購入を目的に来店するお客様もみえるほどです。
 幼い頃から須江美さんの仕事場に出入りをしていた奈緒さんは、「自分も誰かを綺麗にできる仕事をしたい」と思うようになりました。奈緒さんが高校二年生の時に須江美さんがCallinmiをオープンし、奈緒さんは二〇歳で美容を学ぶため、ロンドンへ留学しました。その後帰国し、大型サロンの店長なども務めましたが「まだまだ知りたいこと、学びたいことがある」と七年後、ニューヨークへ行きサロンに勤めました。「広い世界で美容とは何かを学んできたことは奈緒の強みですね」と須江美さん。ニューヨークで三年半、その後帰国して芦屋・夙川エリアにあるサロンで三年勤めましたが、二年前の二〇一四年に母・須江美さんと一緒にCallinmiで働くことを決めました。「自分の力をママのお店で使いたいと思いました。以前からCallinmiに来て頂いているお客様にも『来てくれて良かった』と言って頂けて嬉しいです」と話します。
 親子で二人三脚、Callinmiでは須江美さんの四〇年の実績と合わせ、ヘアケアマイスターの資格を取得した奈緒さんが、ヘアケアの悩みに応えます。「今後もオーガニックのものを使ってお客様に安心をお届けできたらと考えています」、「アンチエイジングにも力を入れて、お客様の喜びのお手伝いがしたいです」。
 朗らかで話し上手な須江美さんと好奇心旺盛で学ぶことが大好きな奈緒さんの進化はこれからも続いていきます。

池畑 須江美さん、奈緒さん Callinmi Hair & Cosmetics
(キャリンミーヘアアンドコスメティクス)
池畑 須江美さん、奈緒さん
住 所 春日井市出川町8-17-4
電 話 0568-52-2532
定休日 月曜日、第2第4日曜日



第184回 腕まくり指南
尾州毛織物業産地から中小業者の発展を考える
―どこに焦点をあてるのか?―

 戦後経済成長した日本経済にあって、いち早く衰退の方向へ向かった産業として、繊維産業があります。日米貿易不均衡による「日米繊維摩擦」、円高による輸出不振、繊維企業の海外進出などで、繊維産業の生産基盤は日本から海外へ大きくシフトしました。
 以前、尾州地域は綿織物から毛織物へ集積の転換に成功しました。「現在、毛織物産業の衰退から新しい産業集積の転換をはかることができるのか」、「毛織物生地生産は世界トップレベルなので、毛織物生産を維持し続けることが重要ではないのか」など、「今後、尾州産地をどのように再生するのか」を考えることは、衰退産業を抱える地域にとって大いに参考となります。
大手企業の「風合いのつくりこみ」と「風合い」の認識―「風合い」市場の違いを理解するー
 前回、低速織機ションヘルの「風合い」を評価しました。調査を進めると、高速織機レピアを低速化することで、「風合い」を出している中堅企業が存在しました。高速のグリッパー(スルーザー)を導入して、「風合い」を出している大手企業もありました。
 「風合い」は低速織機にしかだせないと思っていたのですが、中堅、大手は糸の生産段階、染色・整理などすべての工程を活用しながら、「風合いのつくりこみ」を行なっていました。低速ションヘル織機で縦糸と横糸で織布する工程だけで「風合い」を出すだけでなく、大量生産と「風合いのつくりこみ」を両立させようとする企業努力を見ました。ションヘル織機だと、大量に生産することは不可能です。繊維業界にあって、大量生産で新しい生地を市場に出し流行をつくりだすことは、企業責務だとの指摘がありました。ションヘル織機だと流行をつくりだす市場規模をつくることができません。
 ですから、中小業者が織る低速ションヘルの「市場」と高速織機による「大量生産と風合いのつくりこみ」の「市場」は、同じ織布ですが、別々の市場だと考えられます。ですから、低速ションヘル織機の市場で中小業者が活躍できる領域があります。
 そして、「風合いのつくりこみ」についてのヒアリングでわかったのですが、「風合い」は織布工程のあとにある染色・整理工程を経た後の方がわかりやすく、織布の工程だけで「風合い」を一〇〇%認識するのは難しいようです。
衰退産地の再生に向けてー量的側面と質的側面の両方を考える業者への成長―
 ションヘル織機の「風合い」市場で生きようとする中小業者であれば、「風合い」を大切にし、極める努力が求められます。「風合いのつくりこみ」を求める企業と同じく、糸の生産段階から染色・整理など様々な工程の理解と最終の生地になった製品を自ら手にとって「風合い」を確かめる必要があります。業者の皆さんにも、自らが織った生地のすべてのサンプルを自分の手に持つことが必要です。中小業者は自分の織布に関するすべての情報を手に入れながら、日々の機業に活用することが重要です。ものづくり中小業者にとって大切な情報政策です。
 ものづくりの賃加工下請では、「部品をどれだけ生産するのか」といった量的側面(時間当たりの生産量、精度のいいものをどれだけ生産するのか)が問題とされます。部品生産の工賃値上げ政策が決定的です。加えて、「業者自身がつくったもの」の川上・川下のものづくり情報を共有できるような情報政策の構築が産地再生の際には必要です。
 高齢夫婦のみで四台のションヘル織機を使いこなしている、七六歳の業者が「問題がおこった時には、なぜかなぜかと問いながら日々向上、向上」と楽しそうに言ったのが印象的です。川上・川下情報があれば、問題発生の理解が進み、日々向上も円滑に進み、さらなる向上につながる可能性が切り開かれます。
 そして、ションヘル織機の危機への対応です。せっかく「風合い」を出す優秀な低速織機にも関わらず、現在この織機をつくっている機械メーカーがありません。八台ションヘル織機を保有していても、動いているのは四台だけだったりします。残り四台は動かすべき織機の部品取りのためです。
 本来、稼動すべき織機が、部品取りのためだけに置かれているのは非常に残念です。(西陣でも同じように部品取りがあります。)正常に稼動しているションヘル織機の全部品を3Dプリンターで金型をとり、いつでもションヘル織機の部品として生産できる状態に地方自治体・業界が取り組む必要があります。