なつかしい洋食屋さん
 特製手造りハンバーグが人気

 名鉄西春駅の近くに店を構えるのは、二五年間続く洋食屋「キッチンなかむら」。マスターの中村武実さん、妻の春美さんが経営しています。店内に入ると、春美さん手作りの可愛いらしいメニューが並び、お店を彩っています。
 キッチンなかむらのおすすめは「特製手作りハンバーグ」。パン粉がまぶされサクサクとした表面を箸で割ると、中からはじゅわっと肉汁が溢れ出ます。「大人も子どもも食べやすいように、やわらかくクセの無い味に仕上げています」と武実さんが話すとおり、食べ応えがあるのにさっぱりとしたハンバーグは老若男女、どのお客さんにも大好評です。また、オムライスも人気メニューのひとつ。とろとろの卵にデミグラスソース、ケチャップが乗ったオムライスはハンバーグと同様、二五年間変わらず愛され続けています。他にもランチメニューがあり、「選べるランチ」は、唐揚げや魚フライ、しょうが焼きなどのおかずから二種類を選べます。「毎日来ても飽きないで、好きなものが食べれるように」とキッチンなかむらの心配りです。

変わらぬこだわりの味
  福岡県出身の武実さんは料理一筋。国鉄の寝台列車で一〇年間、コックを勤めていました。「朝の四時から朝食の準備をして、夜遅くまで調理や片付けをしていました」と武実さん。国鉄が民営化され、寝台特急が廃線となってからは様々な調理場で働きましたが、「自分の店を持ちたい」と開業を決意。愛知県の街並に惹かれて移り住みました。二五年変わらぬ味を守り続け、今では「昔ながらの美味しい洋食が食べたい」とネットで調べてくるお客さんもみえます。
 「子どもの頃にみんなが『食べたい』と熱望した、ケチャップやソースの味をずっと変わらず提供できるよう心がけています」。職人気質の武実さんは、野菜の切り方やソースにもこだわっています。サラダのドレッシングは醤油をベースにさっぱりとした味。特製ドレッシングはお店で購入することもできます。
 武実さんが一五年前に病気で倒れたときは、キッチンなかむらの一大事でした。「飲食店が休業してはいけない」と病院からいったん帰ってはソースをつくり、店のことは春美さんに任せました。そんな中、北名古屋民商の婦人部員がみんなで店に立ち、春美さんをサポートして、なんとか武実さんが入院中の営業を乗り切ったこともありました。
 「これからも、この味を守っていきたいです。奥さんの意見も聞きながら、より良い店を目指したい」と武実さん。二五年の歴史に誇りを感じる暖かな雰囲気が「キッチンなかむら」にはあります。

中村 武実さん、春美さんオムレツ キッチンなかむら
中村 武実さん、春美さん
 住所 北名古屋市弥勒寺西1-135
 電話 0568-25-3188



第186回 腕まくり指南
―フランスが「フランス」でなくなる日が近いのか ー「労働者か資本か」と小規模商業者はどうなるのか―

 日本はアメリカ大統領選挙の影響で、これからの「日本はどうあるべきか」と考えている最中だと思います。今後との関連で、今回はフランスのスーパーなど商業店舗の「日曜営業」問題です。日本人がフランスを旅行すると、日本との違いを誰もが実感することがあります。商業店舗の土・日曜営業の日本とフランスとの違いについてです。フランスの観光地などでは土産物屋、レストランなど日本と同じように日曜日に開店していますが、その他の大部分の商業店舗は閉まっています。高速道路のガソリンスタンド、駅のキオスクなどはオープンですが、街なかに何か買おうとして外に出ても、買い物ができず、困った日本人はたくさんいたと思います。
 日本ではコンビニは二四時間三六五日営業しており、大手スーパーなどは、日曜日が書き入れ時となっています。フランスで日本人は買い物における日本の便利さとフランスの不自由さを認識します。それと同時に「どちらが本来の生活のありようか」と考えたはずです。今日本では本来の生活・労働・地域経済が問われています。フランスを見ると、「日曜閉店」というフランスらしさが崩壊の道を歩みはじめており、あるべき「本来の生活」から遠ざかる懸念があります。
ストラスブールの商業施設の「日曜営業」はどうなっているのか
 ストラスブールは中心部が旧市街地(世界遺産)です。大聖堂周辺は観光客向けの店、レストランなどが日曜でも開店しています。日曜にストラスブール周辺部を車で走っていると、カルフールの系列小型店が開店していました。日曜でも、パン屋さんは午前中オープンしている場合(日本で言うフランスパン=バケットは日本人のご飯と同じなので)はありますが、カルフール系列小型店が開店しているとは「びっくり」です。ネット検索して見ると、ストラスブールで日曜営業しているカルフール小型店は四店ほどあります。  一二月はクリスマスセールで近くの大型スーパーも日曜に一四時~一八時三〇分までオープンします。フランスでは毎年に夏と冬にバーゲンが開催されます(個々の企業が勝手にバーゲン期間を設定できず規制があります)。このような特別期間などに、大型スーパーでも年に何回か日曜日営業ができます。
 「日曜営業」の傾向が続くとどうなるのかです。写真に見るようにカルフール系列小型店は大はやりです。街中心部はクリスマスマルシェで、世界各国からの観光客で大賑わい、そこから二~三キロくらい離れたこの地で、周りの商業店舗は、日曜日なので閉店状態、よくいくアジア食材店もクローズ、カルフール系列小型店の一人勝ち状況です
。  フランスはテロの影響などの観光客収入の減少、製造業不振、失業者の増加など不景気状況であり、小規模商業者の多くが売上停滞です。小規模商店主も「日曜営業で売上を伸ばしたい」と思っても不思議ではありません。周りを見ると商業者が皆、「もっと営業日・時間を増やしたい」と思うのは無理もありません。フランスの数年先は競争が激化し、商業労働者の犠牲の上で商業施設「日曜営業」が増加すると考えられます。
フランスにおける商業施設の「日曜営業」をどう考えていくのか
 日曜に商業施設が営業しないのは、カトリックの影響で、「日曜日は安息日」の考えと労働者が「労働時間短縮」の運動のなかで勝ち取ってきた権利の二側面がよく言われます。この考えが憲法にも反映され、長らくフランスの生活・文化として根づいてきました。二〇〇九年に前大統領サルコジが「働きたい者がより働き、より稼ぐ」という提起が転換のきっかけとなりました。
 二〇〇九年私はフランスに外留しており、サルコジの「日曜営業」の提起と世間の反発がよくテレビ討論されていたのを思い出します。右派のカトリック系、左派の労働組合系の両方からサルコジは相手にされていませんでした。「働きたい者がより働き、より稼ぐ」に対して、「今の労働時間でもっと給料を払えば、より働かなくていい」との労働組合の反撃が国民の理解を得ていました。それが、七年後の今、「日曜営業」が定着しはじめたのには驚きです。今の大統領は左派社会党出身ですが、この「日曜営業」は、オランド大統領のもとで進められました。「日曜日営業」は消費者利益、商業労働者の稼ぎ、大スーパーの利益(資本の利益)を総合しているようですが、労働者の低賃金と小規模商業者の低収入・長時間労働の固定化に他なりません。この間フランスにどのような変化があったのでしょうか。