名駅近く 憩いのお好み焼き屋

   お好み焼き、焼きそば、焼きうどん―――厨房でジュウジュウと手際よく調理するのは、「キクヤ」の店主、水野三代子さんです。
 昨今開発がすすむ名古屋駅東口から徒歩五分程にある「キクヤ」は、高層ビルやオフィス街の一角にあるお好み焼き屋です。
 開店は十一時半。お昼の定食は、好きなお好み焼きや焼きそばにプラス一五〇円でご飯、汁物、お漬物がつきます。甘みのあるキャベツがたっぷりで紅ショウガのきいたお好み焼きは、五〇〇円からとお手頃で、周辺のオフィスからランチに来るお客さんに喜ばれています。
 夜はおつまみも充実。特に赤みそのたっぷりしみ込んだどて煮は注文する客が多く、「こんなに美味しいどては初めて」と大変好評です。最近では、足助産の水と小麦などでつくられた“しろたまり”を使った「“しろたまり”焼きそば」も「キクヤ」オリジナルの人気メニューとなりました。
働きものの母 見つめながら
 「常連の方は、店の奥の冷蔵庫からご自分でビールを出したり、カウンター前にあるおでんやどて煮を好きなようによそって食べていますよ」と三代子さん。地域の人たちや会社員、観光客の憩いの場となっています。
 「キクヤ」は母・そのさんが開業し、創業四十七年になります。三十年前に開業当初の店舗は移転し不安はあったものの、面倒見がよく働き者だったそのさんは地域住民や会社員に慕われ店は繁盛。
 当時、店のすぐそばにあった市バスの車庫からたくさんの人が夕方早い時間にみえ、「キクヤ」で憩うことも。三代子さんもそんな母の様子をずっと見続けていました。
 店を継ぐ前は百貨店の販売促進部に勤め、商品提案や広告の製作を行ないながら、子育てをしていた三代子さんは「よく娘の宿題をお店のお客さんが見てくれたりしましたよ」と当時を振り返ります。父・孝保さんが亡くなってからは、会社帰りに店を手伝うことも。勤めていたときは店を継ぐことを考えていませんでしたが、母・そのさんから「お店をやってほしい」と言われ、四八歳のときに会社を早期退職し店を継ぎました。
 店を継ぐときには不安と期待がありましたが、母の代から来ている常連さんが来店し、「名古屋に来たら『キクヤ』へ」と言って様々なお客さんが交流している様子を見ると、店を続けてよかったと思うと言います。
 現在では「キクヤ」を愛するボーカリストたちが、店内ライブを行うなど、さらに交流の輪が広がっています。  「お客さんに『家に帰ってきたみたいでほっとする』と言われたことが嬉しいです。街の様子はどんどん変わっていくけれど、これからも変わらないお店でありたい」と笑顔で話していました。

お好み焼き キクヤ
水野 三代子さん
住  所 名古屋市西区名駅2丁目26の11
電  話 052―571―9911
営業時間 11:30~14:00、17:30~22:00
定 休 日 日曜、祝日





 井内尚樹の腕まくり指南 第194回 愛知の新しい地域資源の有効利用を考えるーハイブリット中古車のリユースを考えるー
 豊橋市で全国商工交流集会がありました。今回のテーマの前に、『腕まくり』の原稿との関連で一言ふれます。「地域振興の実践に学ぶー小規模企業振興条例・地方版総合戦略を生かしてー」での雲南市からの報告です。「雲南市では地域が抱える課題解決する地域自主組織があります。地域自主組織の大きさは、小学校区単位くらいの住民組織であり、既存の自治会・消防団・PTA・老人クラブなどの団体から構成されています。少子高齢化、人口減少が進むなか、地域自治力が弱まっており、地域の絆も希薄化しています。住民が互いに支え合い、より安心安全な暮らしを実現できるよう、地域と行政が協働し、地域でできることは、地域で行っています。小さいながら様々な機能を持った課題解決型の「小規模多機能自治」を実践しています」と報告されました。
 前回の『腕まくり』で飯田市の公民館活動が小学校単位でまちづくり活動ができていることを紹介しました。雲南市と飯田市の両方で、小学校単位でまちづくりの課題を解決しています。しかし、大きな違いがあります。雲南市の常設事務局は交流センターの役員が人を雇い、人件費は公費からの支出で「公費民営」組織ですが、飯田市の事務局は公民館主事など公務員であり「公費公営」組織です。大変重要な問題であり追跡調査する必要があります。ここでは地域資源の利活用を大いに自然エネルギーで論じていますが、今回は、新しい地域資源として、ハイブリット自動車のリサイクルに関わる問題です。
甑(こしき)島でがんばる
若手業者について

 甑島は三つの地域に分かれており人口五〇〇〇人程度で、上甑島には約二〇〇〇人が住んでいます。甑島は串木野港から西約四五キロ離れており、フェリーで一時間一五分でした。港におりると電気自動車(EV以下EV)が三台並んでいました。EVが多いなと思ったら、「上甑島には四〇台のEVがあり、乗用車の一〇台に1台がEV」と島の職員の方が説明してくれました。島の主要産業が漁業であり、仕事に使う軽トラックを見かけるのですが、これは乗用車に分類されないそうです。
 廃止されたフェリーの待合所を改修してできたレストランでお昼のランチを食べました。食事中にレストランの若手業者(京都の大学を卒業しUターン)の方に話しを聞くことができました。業者は甑島への若者の移住についての取り組みに大きな役割を果たしています。夏休みに鹿児島市在住の若い女性をバイトで使い、島の暮らしがいいものだと実感してもらっています。島のファンをつくり将来の移住につなげたいと言います。業者は、若夫婦と子供に島への移住生活で気をつけることを説明していました。
 業者のすごさは、単なる移住だけでなく、雇用の「場」のためのレストラン、特産物の加工所などをつくり、働き場所を開発していることです。行政の方々も業者のバイタリティを評価しており、「公」とはちがった、「民間の力」をどう生かすかが課題と言います。
 若手業者はEVにも乗っており、「親戚宅に行く途中で坂をあがると急に蓄電量が減少し、親戚の家で話しをしながら充電している」、「ガソリンがいらなくなり、経費が減少している」などEVの課題について聞くことができました。私たちが自然エネルギーの調査で島に来たというと、早速「八月は二〇万円を超える電気代で困っているので、どうしたら解決するのか」と問われました。
薩摩川内市の甑(こしき)島で
  利用されるリユースEVと愛知の地域資源

 上甑島は再生可能エネルギーとEVの実証実験の「場」となっています。九州本島から四五キロも離れており、海底ケーブルで本島から電力供給を受けていません。島独自にディーゼル火力発電所があり、島は単体で電力エネルギーを担っています。電力の需給調整のために日産リーフの中古車三六台(走行距離一〇万キロ程度、電池は七〇%程度利用可能)分の電池が利用されていました。
 ディーゼル発電所の燃料費用が減少しています。そして、離島では大半がディーゼル発電となっており、CO2の排出量が非常に多くなっています。中古車の電池利用によりCO2の排出が抑制できています。
 離島で三六台の中古車の利用が地域エネルギーに大きな役割を果たしています。自然エネルギーを生産するには、地域資源の利活用を言ってきました。自然の風力、太陽光、ミニ水力、生ごみ、下水汚泥、畜産糞尿などが地域資源として見てきました。愛知県にはハイブリット自動車にリチウム、ニッケル電池などが大量に中古車として存在しています。自動車関連業者も非常に多くいます。私たちは、ハイブリットの中古車利用を自動車メーカー、地方自治体に本格的に働きかけるべきだと考えます。