『地域で笑顔をつなぐお店』

【手づくりパン・特製おにぎり】
 名鉄豊川線・諏訪町駅から豊川市役所方面へ徒歩十分ほどに「ベークショップカノウ」はあります。店舗は四階建のビルの一階にありますが、その屋上には巨大なおにぎりの看板がそびえ立ち、地域の人たちから「おにぎりビル」と呼ばれ親しまれています。
 店内に入ると、焼き立てパンの良い香りと加納尽志さん、美穂さんご夫婦と従業員の方が出迎えます。今回は、美穂さんからお話しを伺いました。
 「ベークショップカノウ」のパンは、食パンやバターロールの他に何種類もの菓子パンや総菜パンがあります。店に入って右側の棚にずらりと並んだ手づくりパンは、定番のあんパンやメロンパンから、「いちご大福風のぱん」や「しみこむチョコパン」などちょっと変わったものまで。「白いチーズパン」には、可愛らしいクマのキャラクターが描かれていました。
 「季節にも合わせて、描くものを変えているんです」と美穂さん。
 朝の五時から店内奥の工房で尽志さんが焼くパンは、平日は毎日、近くの自動販売機や豊川市役所の売店へ配達されます。
 また、最近ではおにぎりの注文も多く入ります。以前、保育園のイベントがあった際に、「保育園児が食べやすいような、小さなおにぎりを作ってほしい」という注文が入り、作ったところ大変好評となりました。その後、口コミで広がり、今ではいくつもの保育園から注文が入るように。「明日も六十個。朝から応援も来てもらいながら、どういう段取りで作るかを今から考えないと」と大忙し。美穂さん自身、六人の子どもたちを育てている最中で、最近では父母会などでも声をかけられることがしばしば。


【プレゼント用の宝くじも】
 飲食のほかに、店の主力となっているのが宝くじの販売です。入って左手正面のガラスショーケースには、各種クジがずらり。先代の頃から宝くじの販売を始め、今では「当たるお店」として大変有名になっています。その実績は店の壁いっぱいに「出ました、一等二億円」など張り出されていました。取材中にも何人ものサラリーマンや建設関係者が立ち寄り、その場で当たりが分かるクジなどを買い求めていました。また、最近は「宝くじを景品に」という人も増えていることから、美穂さんお手製の「宝くじ用ポチ袋」を無料でお客さんへ渡しているのも、嬉しいサービスです。
 「ベークショップカノウ」は、尽志さんの大おばあさんが駄菓子屋さんとしてスタートしました。長い歴史のなかで築いた地域からの信頼と尽志さんの作る美味しいパン、美穂さんの飾らない気さくな笑顔に魅かれ、今日もたくさんのお客さんが足を運びます。
ベークショップ カノウ
加納 美穂 さん

住  所 豊川市中央通5-19
  電  話 0533-86-3622
  営業時間 8:00~19:00
  定休日 日・祝




 井内尚樹の腕まくり指南第201回
防衛省の方から新しい隠蔽問題がでてきました。自衛隊のイラク派遣をめぐる日報隠し問題です。去年、稲田防衛大臣は南スーダンの国連平和維持活動(PKO)の日報問題に関わって辞任しました。イラク派遣の現実問題も隠していたのか、それも一万四〇〇〇ページ分も。財務省の公文書改ざん問題、現場の公務員がちゃんと記録を残そうとしたものを、上からの改ざん命令で削除されました。悩んでおなくなりになられた方が浮かばれません。
 「働き方改革」法案で、厚生労働省は労働時間のずさんな調査、データ捏造で、裁量労働制を政府の都合にあわせようとしました。文科省は名古屋教育委員会に対して、前川喜平前文部科学事務次官の講演内容の報告と録音の提出を求めました。あからさまな国家の地方自治体への教育分野への介入だと思います。
 このままでは日本の社会経済・歴史などの研究ができなくなる不安を感じます。例えば、日本の歴史を研究しようとしても、時の政権に都合のいいように公文書が改ざんされれば、歴史の事実を丹念にひもとこうとしても、公文書が事実と違うのでまともな研究はできません。
 未来を担う若者、子供たちに、まっとうな日本という国を残さなければならないと思います。そして、国民は前川前文部事務次官と佐川前国税庁長官の国会での証言の違いから、「同じ公務員でもだいぶあり方がちがうなと」感じたはずです。「公務員は国民ではなく政権を向いて仕事をするのだと」理解する国民もでてきています。本来あるべき、国民主権のもとでの公務労働、自治体労働者論のあり方を、七〇年代の研究から、もう一度とらえ直す必要性を感じています。私は新しいインフラのもとでの公務労働論を意識していますが、今回は、日本経済のあり方と関わって考えたいと思います。
 
【2018年政府の予算から ー 日米安保体制の日本経済に突き進むのか ー】
 安保体制の日本経済となりつつある理由として、以下の四点を指摘します。第一に、公文書改ざん問題などで行き詰っている安倍首相は、憲法改正を諦めるのではなく、自民党大会に九条二項の改正案を提出し、「改憲」を政治日程に乗せ、発議まで持っていこうとしています。平和憲法下における戦後日本社会を根本的に変えようとしています。
 第二に、防衛費は六年連続で増大し過去最大規模となり五兆円一九一一億円となっています。アメリカから高額なミサイル、戦闘機などの購入などで兵器調達費は四〇〇〇億円以上となり、来年度以降の後年度負担が五兆七六八億円になっています。後年度負担とは、先に兵器を注文し、あとから確実に払う費用です。このことから、防衛費一〇兆円時代が目の前に来ています。
 アメリカ軍と自衛隊の日米合同軍事訓練の増加、沖縄の普天間基地の辺野古移転問題など、アメリカの核の傘にはいり、日本は対米従属的な軍事的戦略を展開しています。また、核兵器禁止条約にも日本政府は唯一の被爆国でありながら反対し、アメリカの核抑止力を正当化しています。
 第三に、七〇年代後半から八〇年代にかけて革新自治体つぶしを実行し、公務労働者を住民から遠ざけてしまいました。行政組織の民営化、非正規化などで住民の生活と暮らしを破壊し、政治権力の言うことをきく公務員組織化を進めています。
 第四に、日本は対米従属最優先の経済・貿易体制となっていることです。アメリカのエネルギー戦略にいち早く取り込まれ、エネルギー・原材料資源を大量に輸入し、低賃金長時間労働による加工貿易体制の日本経済を構築しました。大量エネルギー消費社会を基礎とした大量生産・大量消費、その結果として大量廃棄物社会のライフスタイルを国民に植えつけました。

【憲法体制を基礎とした日本経済の方向へ ー 国民のための公務労働者へ ―】
 安倍首相は国民の代表であり、公正、公平、民主主義の担い手であるべきなのに、朝日新聞など自分を批判するマスコミをことさら攻撃しています。一九五〇年四月の京都府知事選挙で共産党と共闘した蜷川虎三候補が「反共は戦争前夜の声」と叫んだことを思い出します。現在、「戦争前夜の声」の状況に似ており、平和でこそ安心して営業できるとの声をあげ、「防衛費を増額するのか、それとも憲法を守ることが大切なのか」が問われています。
 安倍政権の日米安保体制の経済路線に対してそれに追随する公務労働者ではなく、国民のための公務労働者に転換させることが、今回の公文書改ざん問題の着地点のひとつです。  岐路に立つ日本の経済社会と中小業者

 『自治通信社』作成資料より