【中小業者による中小業者のための商工交流会 第18回 愛知商工交流会】

    愛商連は、十月二八日(日)に 第十八回愛知商工交流会を刈谷市産業振興センターで開催し、二〇〇名近くが参加しました。今回初めて、愛知県と刈谷市から後援を受けての開催となりました。
 午前中は、全国商工新聞でもおなじみの中小企業診断士上品忍さんによる記念講演「今を生き抜く商売のヒント」。午後は「事業計画書づくりに役立つSWOT分析セミナー」、「地域循環型経済と小規模企業振興基本条例」、「同業種・異業種交流会」などの分科会と三二店舗が参加した「物産展&商品展示」を行いました。  

記念講演 商売に夢と希望をもとう
 午前は、中小企業診断士・上品忍さんが「今を生き抜く商売のヒント」と題して記念講演。「小規模企業振興基本法施行など、国や自治体で小規模企業支援の動きが出て、補助金などの支援施策も広がっています。一方で、経営環境は悪化し、小規模企業は厳しい状況に立たされています。自分の商売をどうしていくのか、事業計画をたてることが重要になっています。同時に、各種補助金を利用するにも事業計画は重要です」と事業計画づくりの重要性を話しました。
 そして、「事業計画は、現状と将来のギャップを埋めるものです。どう目標をたて、それに向かってどうアプローチするか。そして、事業計画はつくった後が大切。『計画、実行、見直し、改善』のサイクルで常に前進できるようにすることで、実際に商売を向上させる力になります」と話しました。  先生の講演の後は、三名の方が自分の商売の強み・弱み・今後の展望を語りました。  

蔵地雅彦‥水産加工
 練り製品は冬場がメイン。夏にも売れる玉ねぎはんぺんがヒット。テレビでも紹介され、売り切れることもあり「幻の玉葱はんぺん」と言われています。
機械化すると固くなるので、基本は手作りにこだわり、生産量をどう増やすかが課題。卸先の拡大や新商品に挑戦し、卸売と小売のバランスを考えてがんばりたい。  

山口一行‥衣料品(洋服・洋品)販売
 親から継いだ二世で、以前はテーラー、今は店頭販売。こだわりの店として経営。趣味嗜好が多彩な時代に、服を楽しむライフスタイルや上質な服を大切に着こなす生き方をアドバイス。
 お客様のターゲットを絞り、来店してくれるお客様はとことん大切にするというスタイルを貫いてます。同時にイベントを通じて、衣服の提供やお客さん同士の横のつながりを大切にしています。

竹川陽子‥配管工事
 商売を初めて十三年目、従業員十四人、住宅設備配管で下請け工事。どんな小さな工事や要望にも応え、日頃から、従業員とのコミュニケーションを大事に、意思疎通を図っています。
 今は、仕事が十分ありますが、自分以外の人でも現場管理ができるなど、人材確保が課題。新築物件が減少する見込みですが、どう既設物件に取り組めるかを考えたい。ガス工事も自由化になり、競争が激しくなることへも対応したい。
上品さんは、パネラーの発言について一人一人丁寧に質問やアドバイスを行いました。

※ ※ ※ ※ ※ 参加者の感想 ※ ※ ※ ※ ※
 参加者の感想  参加者は「具体的でわかりやすかった」、「自分ももう一度商売について見直してみようと思った」、「事業計画書というものの意味が少しわかった」、「パネラーの方の商売に対する気持ちがよく分かって参考になった」などと感想を話していました。

【やっとかめ】
 安倍首相が予定通り消費税十%へ引き上げることを宣言しました。宣言された途端にテレビなどでは増税前に買っておいたほうがいいものとか、コンビニでの買い物の際の混乱など大騒ぎをしています。▼今回は複数税率の導入に伴って適格請求書(インボイス)の添付を必要としています(二〇二三年十月)。インボイスの導入はこれまで免税だった事業者に対しても消費税の申告、納税を強いるものとなり、とんでもない負担となることが予想されます。
 ▼インボイスの導入によって商取引から排除される危険性について多くの業者は理解しているとは言えない。地域に打って出て、増税されたら商売も続けられないことを広め世論化することが必要になっています。▼八九年に導入された消費税は、いわば「平成の税制」です。天皇の意向で来年平成が終わります。平成の終わりとともに「平成の税制」の消費税も終わりにできるような展望を切り開く運動が求められています。▼増税反対の世論で列島を包囲し、連続する選挙で私たちの力を示す時です。
  愛商連会計 鈴木 義一

【自らの商売の分析に挑戦 ~SWOT分析セミナー~】
   全体会から引き続き午後は、上品忍さんを講師に「SWOT分析セミナー」が開催され、26名が参加しました。事業計画のポイントや自社の「強み・弱み・機会・脅威」をどう分析するかを学びました。上品さんが「取引先やお客など、自社に関わる登場人物を書きだして下さい。客層や競合はどこにあるのかを把握することが、SWOT分析を行う上で重要になります」と話され、SWOT分析シートに記入しながら、グループで交流をしました。
 グループワーク後は、畳屋3代目の佐藤秀夫さん(名古屋東部民商)、ステンレス加工業2代目の小泉邦彦さん(一宮民商)、学習塾経営の五十君淳さん(小牧民商)、パン屋から転職しコンサルタント業を始めた山口みどりさん(稲沢民商)がそれぞれ報告。上品さんからは「取引先の優先順位化」、「バリューチェーンを高めるには」など多方面でアドバイスしていました。
 最後に上品さんは「難しいことを話しましたが、事業計画とは“これから何をやるのか、どうやるのか”を考えること。一番大切なのは、上手くいったら次はどうするのか、上手くいかなかったら何故なのか――と振り返ることです」と経営全体を考えるうえでのアドバイスが話されました。